国際通貨基金(IMF)は21日、運営方針を決める会合をワシントンで開催し、ロシアのウクライナ侵攻が「甚大な人道的影響をもたらし、世界経済に有害な影響を及ぼすことを認識する」とする議長声明を公表した。一方、恒例の共同声明の発表は初めて見送った。
会合は「国際通貨金融委員会(IMFC)」。IMFのゲオルギエワ専務理事らのほか、IMF理事選出国の財務相など24人の政府代表が参加し、毎年春と秋の2回開かれている。今回の会合にはロシアの代表も参加した。日本政府関係者によると、共同声明の公表は全会一致が原則だが「参加した1カ国が反対した」という。
議長声明では、世界経済は回復基調にあるものの、新型コロナウイルスの新たな変異株により減速していると指摘。ロシアのウクライナ侵攻により「大きな後退に直面している」とし、侵攻により生じているエネルギーと食料価格の高騰が「インフレ圧力を増加させている」と強調した。(共同)