【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が最近、公式行事に登場する際、素性が知られていない女性がサポートする姿が映像に捉えられ、注目されている。妹の金与正(キム・ヨジョン)党副部長がかつて担った秘書役をこなしていると分析されており、正恩氏の異母姉ではないかとの見方も一部で浮上している。
女性は15日の故金日成(キム・イルソン)主席生誕110年の記念行事で正恩氏や党幹部が並ぶ壇上にいる姿が国営テレビの映像に映った。今年2月ごろから映像で確認されるようになり、2月の初級党書記大会では、正恩氏に両手で演説文を恭しく差し出す様子が映し出された。
目を引いたのが、女性は胸に日成氏らの肖像バッジを着用せず、銀色の花形ブローチを着けていたことだ。北朝鮮の公の席でバッジを着けずに許されるのは正恩氏と夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏ぐらいだ。北朝鮮に詳しい龍谷大の李相哲教授は「バッジを着用せずに済むのは一部親族に限られそうだが、正恩氏の異母姉の金雪松(キム・ソルソン)氏ぐらいしか該当者が見当たらない」と説明する。