ユネスコ、露での世界遺産委員会会合を無期限延期

パリに本部を置くユネスコ(三井美奈撮影)
パリに本部を置くユネスコ(三井美奈撮影)

【パリ=三井美奈】国連教育科学文化機関(ユネスコ)は21日、6月にロシア中部カザンで開催予定だった世界遺産委員会会合を延期すると発表した。新たな日程や場所は示していない。ロシアのウクライナ侵攻を受け、英米など46カ国がボイコットする意向を示し、ロシアが開催を断念した。

ロシア代表部は21日、日本など委員国に対し、ユネスコ事務局長と協議し、延期に合意したと通知した。

46カ国は今月初め、公開書簡で「ロシアの攻撃により、ウクライナの文化遺産が破壊された」と批判。文化財保護を定めた世界遺産条約に反すると指摘し、「ロシア主催の会合には出席しない」と表明していた。書簡作成は英国が主導し、米国や欧州連合(EU)加盟国、オーストラリア、韓国が加わった。中国は署名していない。

世界遺産委会合は原則年1回開催され、開催場所は60日前までに定めるよう規定されている。カザンでの会合は6月19~30日に開催予定だった。委員国は21カ国で、日本は現在、メンバーに加わっている。

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