中国「ゼロコロナ」の影響に在中外資企業が懸念

新型コロナ対策の功労者として、中国の習近平国家主席(手前右)から勲章を授与された鍾南山氏(同左)=2020年9月、北京の人民大会堂(共同)
新型コロナ対策の功労者として、中国の習近平国家主席(手前右)から勲章を授与された鍾南山氏(同左)=2020年9月、北京の人民大会堂(共同)

【北京=三塚聖平】中国に拠点を置く外資系企業の間で、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ」政策への不満が増している。日米欧などの経済団体代表が中国の商務相と会談し、上海で続くロックダウン(都市封鎖)などの影響に懸念を表明した。中国政府は懸念に応える姿勢を見せるが、ゼロコロナ政策の継続方針は崩していない。

王文濤(おう・ぶんとう)商務相は18日、日米や欧州連合(EU)、韓国などの外国商会代表と北京で会談した。関係者によると、会談は商務省の呼び掛けで開かれた。

中国日本商会の御子神大介(みこがみ・だいすけ)会長は会談で、上海封鎖に伴う生産停止により世界のサプライチェーン(供給網)に「大きな影響が広がりつつある」と説明。「サプライチェーンは一度壊れると上海に戻れない可能性もある」と指摘した。各国からも物流網の混乱などを訴える声が続いたという。

王氏は、操業再開を支援する考えなどを表明する一方で、ゼロコロナ政策を緩めれば「1年後に200万人の死者が出る」という予測があると説明。「われわれの政策を理解してほしい」と呼び掛けた。

中国は、感染拡大が起きた地域で移動制限などの強権的な措置をとって歯止めを掛けてきたが、今年3月以降は各地で感染拡大が深刻化。移動制限をとる地域が広がった。特に影響が大きいのが3月末から続く上海の都市封鎖だ。上海日本商工クラブのアンケートでは、回答があった53社のうち36社が「市外との物流が停止」、18社が「工場を停止している」と回答した。

赤松秀一(あかまつ・しゅういち)・駐上海日本総領事は15日付で、上海市の宗明(そう・めい)副市長宛てに「企業活動への悪影響が顕著に表れてきている」と窮状を訴える書簡を提出。上海封鎖の長期化で、生産を国外などに「振り替え始めている」といった中国撤退につながりかねない動きを伝えた。

中国EU商会も今月8日、胡春華(こ・しゅんか)副首相に要望書を送付。香港メディアによると、大規模なPCR検査や隔離ではオミクロン株に対処することは難しいといった見解を伝えた。

中国側にも対応の動きがみられる。18日には劉鶴(りゅう・かく)副首相が出席した会議が、供給網の安定化を進めるよう指示。16日には上海市が企業の操業再開に向けた感染対策のガイドラインも公表した。ただ、ゼロコロナ政策は習近平政権の看板政策となっており、抜本的な方針見直しは難しいとみられる。

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