奈良舞台の歴史小説をボイスドラマで配信 人気声優出演

ボイスドラマ「龍華記」にちなんだマップ
ボイスドラマ「龍華記」にちなんだマップ

奈良を舞台とし、平家による南都焼き打ちを描いた直木賞作家、澤田瞳子(とうこ)さんの歴史小説「龍華記(りゅうかき)」(角川文庫)が、人気声優を起用したボイスドラマとなり、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」で無料配信されている。

音声のみで物語を展開するボイスドラマは、近年ネットでさまざまな作品が配信され注目を集めている。

企画したのは観光事業などを手がける会社「榧(かや)」(奈良市)の代表、安達えみさん。澤田さんの小説を愛読しており、「中世の奈良を知ってもらいたい」と一般社団法人「アニメツーリズム協会」(東京)に相談。制作が決まった。

龍華記は、平成30年の興福寺(奈良市)の中金堂再建の落慶を記念して書かれた。平安時代末期、高貴な出自でありながら悪僧(僧兵)として興福寺に身を置く範長(はんちょう)を主人公に、平家によって焼かれる南都が描かれている。

人気アニメ『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』などで知られる声優、内田雄馬さんが範長の役を、間島淳司さんが高僧、信円の役を担当し、臨場感のある物語を全6話にわたり展開している。

澤田瞳子さん
澤田瞳子さん

安達さんらは、焼き打ちから復興し1300年の歴史を刻む興福寺をはじめ、焼き打ちの際に平重衡(しげひら)が本陣を置いたという般若寺(同市)などを紹介するマップを作製。ボイスドラマを聞きながら舞台巡りが楽しめるようにした。

「『聞きやすい』『臨場感がある』といった声が寄せられ、企画して良かった。若い人に気楽に聞いてもらえれば」と安達さん。

一方、澤田さんは「普段は文字でしかとらえないので、『こう聞こえるのか』と新たな驚きがある。『かつてこの場所で起きた』と奈良は歴史が身近に感じられる土地だと改めて思った」と話している。

ユーチューブのチャンネル名は、ボイスドラマ「龍華記」。スマートフォンのアプリ「SpoTribe」によりコミュニティ内での情報共有も可能だ。

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