為替で日米、緊密に意思疎通 鈴木財務相「円安が急激」 イエレン氏に伝達

イエレン米財務長官(左)との会談に臨む鈴木財務相=21日、ワシントン(財務省提供・共同)
イエレン米財務長官(左)との会談に臨む鈴木財務相=21日、ワシントン(財務省提供・共同)

【ワシントン=塩原永久】訪米中の鈴木俊一財務相は21日午後(日本時間22日未明)、首都ワシントンでイエレン米財務長官と会談した。鈴木氏は記者会見し、為替相場をめぐり日米通貨当局が「緊密な意思疎通を図っていくことを確認した」と説明した。会談では、イエレン氏に対し「直近の円安が急激であることを示した」という。

鈴木氏は、イエレン氏との会談などの一連の日程終了後に会見。イエレン氏と経済情勢の意見交換をする中、鈴木氏から切り出し、「円安が急激であることを数字をもって示した」と明らかにした。

鈴木氏は記者団に「急激な変動は好ましくない」と従来の認識に言及。「緊張感をもって(為替相場の)動向をみていかなければならない」と語った。

会談では、日米がロシアによるウクライナ侵略を非難したうえで、対露制裁についても議論した。鈴木氏は「先進7カ国(G7)で連携し、ロシアへの制裁を着実に実施していくことを確認した」と述べた。

追加制裁については、ウクライナでの戦況や発動した制裁の効果を「見極めなければならない」と話し、G7など国際社会と足並みをそろえて検討していく意向を示した。

一方、国際通貨基金(IMF)は21日、運営方針を決める「国際通貨金融委員会(IMFC)」の会合を開いた。会合後、ロシアのウクライナ侵攻が「世界経済に有害な影響を及ぼすことを認識する」との議長声明を公表した。

ただ、恒例だった共同声明の発表は見送った。共同声明作成は全会一致が前提だが、日本政府関係者によると「1カ国が反対した」という。ロイター通信によると、ロシアが戦争を批判する厳しい記述に反対し、声明作成を断念した。

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