だまされた日本船舶会社
「日本政府が率先して順守を表明する国際連合安全保障理事会決議で禁止あるいは規制された北朝鮮関連取引の禁止等に抵触する目的に本件船舶が現実に使用されたという事実は厳粛に受け止めるべきものである」
これは日本国内で起きた事件だ。2019年1月、東京の船舶会社A社が、中国企業の代理人として日本籍の化学製品・石油精製品積載タンカーを購入した。もともと岡山県の運輸会社が運航していた船だ。買い手は中国企業「福建省易和船舶重工有限責任公司」(以下「B社」)。A社は同船をB社に移管し、日本から中国への船舶輸出は完了した。B社は船を修理した後、「Rui Hong 916号」と船名を変更した。
だがA社が知らされなかった事実がある。B社は同船をさらに福建省在住の中国人に売却した。