マリウポリで戦闘継続 露、民間人被害を正当化

破壊された製鉄所の前に立つ親露軍の隊員=21日、ウクライナ・マリウポリ(ロイター)
破壊された製鉄所の前に立つ親露軍の隊員=21日、ウクライナ・マリウポリ(ロイター)

ウクライナ侵攻で、同国東部のマリウポリ当局は21日、ロシアによる制圧発表後も市内で戦闘が続いていると明らかにした。一方、露国防省は同日、「マリウポリ解放」と題したウェブサイトを公表。第二次大戦中のナチス・ドイツからの同市の解放と今回の「解放」は同一だとする内容で、多数の民間人犠牲者を出した同市制圧作戦を正当化した。露軍は同日も制圧を目指す東部に激しい攻撃を続けた。

1カ月半以上にわたり激戦が続いてきたマリウポリをめぐり、ショイグ露国防相は21日、プーチン大統領に制圧を報告。プーチン氏はウクライナ守備隊が籠城する製鉄所への突入中止を命じる一方、製鉄所の包囲継続を命じた。ウクライナ側は「ロシアの本心は自軍の損害回避で、突入中止は人道アピールにすぎない」との見方を示している。

実際、マリウポリ市当局は21日、SNS(交流サイト)上で「市内で戦闘が続いている」と動画付きで報告。製鉄所への砲撃も続き、「製鉄所内の全員を殺害するまで露軍は攻撃をやめない」と述べた。多数の市民が埋葬されたとみられる集団墓地も確認されたとした。ウクライナ側は同市で民間人2万人以上が死亡したと推計している。

一方、露国防省が公表した「マリウポリ解放」と題したサイトでは、1943年に旧ソ連軍が同市を解放するまでナチスは住民を虐殺したと指摘。「当時のナチスと、市民を盾にする現在のウクライナ過激派は連続している」と主張した。

露軍は東部の親露派支配地域と南部クリミア半島の中間に位置する要衝マリウポリを制圧して東部と南部の占領地支配を確実し、今後、東部での前進を本格化させる思惑だとみられる。

露国防省は21日、東部ルガンスク州ポパスナヤのウクライナ軍部隊などをミサイルで攻撃したと発表。露軍は同市を制圧し、セベロドネツクやスリャビャンスクなど重要都市の掌握に向かう戦略だとされる。

ウクライナメディアによると、同国政府は21日、東部ドネツク州で過去1日間に42の集落が露軍に占領されたと発表した。

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