国内避難民277万5千人が帰還 半数がキーウ含む北部出身 国際移住機関

ポーランドに逃れたウクライナの避難民=20日(AP)
ポーランドに逃れたウクライナの避難民=20日(AP)

【ニューヨーク=平田雄介】ロシアが侵攻したウクライナ情勢をめぐり、国際移住機関(IOM)は21日、戦禍で自宅を追われた国内避難民770万7000人のうち、277万5000人が17日までに地元に帰還したとの報告書を発表した。帰還者の半数は、露軍が一時占領した首都キーウ(キエフ)近郊のブチャなどがあるウクライナ北部の出身者が占めた。

国内避難民の帰還状況を示す報告書は初めて。2月24日の侵攻開始後に自宅を離れ、2週間以上たってから戻った人を「帰還者」とした。出身地や帰還後の体感治安、今後の居住計画などについて尋ねた。調査は11~17日に行われ18歳以上の2000人から回答を得た。

帰還者の出身地は、キーウを含む北部が約141万6000人(全体の51%)、西部が約42万1000人(同15・2%)。激戦が続く東部と南部はともに約34万4000人(同12・4%)。最も少なかったのは中部の約24万9000人(同9%)だった。

平均避難期間は30日間。帰還者のうち、29%が地元の治安を「やや悪い」と感じており、「全く悪い」と答えた人が5%いた。「完全に安全だ」とした人は8・5%に止まった。

帰還者のうち、今後も地元に留まる意向の人は73%、ほかの地域への移住を考えている人が15%いた。

調査時に避難生活を送っていた人のうち、2週間以内に地元へ戻る計画がある人は14・6%。半数以上は北部の出身者だった。

他方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、20日までに国外へ逃れた難民は約508万5000人。うちウクライナ国内へ戻った帰還難民は約102万5000人。帰還難民の動静について、IOM報道官は「調査の対象外だ」としており、今回の報告書では明らかにならなかった。

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