首相、菅・森山氏ら非主流派と会談 党内融和に腐心

政治 閣議に臨む岸田文雄首相=22日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
政治 閣議に臨む岸田文雄首相=22日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相(自民党総裁)は22日、菅義偉前首相、森山裕総務会長代行と相次いで会談した。菅、森山両氏は令和4年度補正予算案の編成などをめぐって自民執行部との隙間が指摘される公明党とパイプを築いている。夏の参院選を見据える首相としては、先の党総裁選で非主流派に転じた両氏にも配慮を示しつつ、与党一丸で選挙戦に臨む態勢をつくる思惑もある。

「国内外のいろんな情勢について意見交換した。近況報告も含めて時間をいただいた」

首相は菅氏との会談後、官邸で記者団にこう語った。同日夜には東京・銀座の日本料理店で森山派(近未来政治研究会)を率いる森山氏と食事をしながら意見を交わした。

昨秋の総裁選で敵対した首相と菅、森山両氏の間柄はいまなお微妙だ。

菅氏周辺は非主流派を中心とした勉強会を開く時期を模索している。また、森山氏は参院山形選挙区をめぐり、自民執行部が4年度予算に賛成した国民民主党に配慮する形で候補者擁立見送りを調整していることに関し、「野党の公認候補を応援したことはない。しっかりけじめをつけておかないと、おかしなことになる」と表立って異論を唱えている。

一方で、菅、森山両氏は公明にもパイプを持ち、業界団体などにも顔がきく実力者でもある。首相としても、参院選での協力は欠かせず、今回の会談も万全の態勢を敷くための布石を打った形だ。

首相は、今月1日には同じく非主流派の二階俊博元幹事長とも酒席を囲んだ。首相は、安倍晋三元首相と茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁の主流派を後ろ盾としつつも、非主流派を含む党内融和に腐心し、自らの足場を一層強固にしたい考えとみられる。(永原慎吾)

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