福島第1原発処理水 初の海底工事、25日から着手

処理水タンクが並ぶ東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)=令和3年2月(本社ヘリから、川口良介撮影)
処理水タンクが並ぶ東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)=令和3年2月(本社ヘリから、川口良介撮影)

東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した処理水の海洋放出をめぐり、東電は22日、原発の沖合約1キロで放出に使う海底トンネルの出口部分にあたる放水口の整備工事を25日から始めると発表した。トンネル整備は始点となる原発5、6号機東側の地上工事にとどまっており、海底での工事は初めて。来年春ごろを目標とした放出開始に向けて準備が加速することになる。

東電によると、海底トンネルは入り口となる立て坑(縦穴)、トンネル本体(直径約3メートル)、出口となる放水口の3つの部分で構成。5、6号機東側から約1キロにわたり海底の岩盤をくりぬいて整備する方針だが、現在は立て坑掘削の地上工事にとどまっている。

25日に始めるのは放水口整備の準備工程。作業船の重機を使い海底を約11メートルまで掘り下げるなどの工事を8月上旬までの予定で進める。周辺では海底に支障物がないかを確認する磁気探査や、海上ボーリングによる地質調査も実施済みで、トンネル敷設の妨げとなる問題は確認されなかった。

一方、トンネル本体の工事には、原子力規制委員会の認可に加え、福島県と立地自治体である双葉、大熊両町の事前了解が必要となる。15日には東電の放水計画に対する規制委の実質的な審査が終わり、認可が得られる見通しとなった。さらに工事を進めるには、地元の理解が得られるかが焦点となる。

東電によると、トンネル掘削用の大型重機も24日以降に原発構内に運び込み、トンネル本体工事の開始まで保管する。

処理水は、多核種除去設備(ALPS)でトリチウムを除く大半の放射性物質を浄化済み。放出前に海水で希釈し、1リットル当たりのトリチウム濃度を国の排出基準(6万ベクレル)の40分の1程度に薄めて排水する。

会員限定記事会員サービス詳細