20日(日本時間21日)に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、ウクライナに侵攻したロシアの扱いで先進国と新興国の対立を浮き彫りにした。リーマン・ショック後に世界の諸課題を解決してきたG20の枠組みは、グローバル化が逆流を始めた中で崩壊の危機にある。各国が自由主義と権威主義の両陣営に分断される「ブロック化」の進行で、今後は不要論が強まりそうだ。
鈴木俊一財務相は20日の会議終了後、ワシントンで開いた記者会見で「世界経済の課題は山積している。一刻も早く平和を取り戻し、G20で経済協力に集中できる環境が必要だ」と指摘し、国際協調体制のほころびに懸念をにじませた。
G20ではロシアを非難する先進7カ国(G7)と、擁護する中国やインドなどの見解の違いが表面化。資源価格の高騰など、現下の難題を克服して世界経済を安定軌道に戻すという本来の役割は果たせなかった。