京都新聞HD、大株主に19億円超の違法利益供与 第三者委指摘

第三者委員会がまとめた報告書について説明する京都新聞ホールディングスの山本忠道社長=21日、京都市下京区
第三者委員会がまとめた報告書について説明する京都新聞ホールディングスの山本忠道社長=21日、京都市下京区

京都新聞社を傘下に置く京都新聞ホールディングス(HD、非上場)=京都市中京区=は21日、大株主で相談役だった白石浩子氏(81)に対し、総額19億円相当の違法な利益供与があったことなどをまとめた第三者委員会の調査報告書を公表した。30年以上にわたり、勤務実態に見合わない高額な報酬や私邸の管理費が支払われていた。HD側は、返還を求めるとしている。

白石氏は、約80年にわたりHDの経営に携わってきた「白石家」の一族。昨年3月末時点で、資産管理会社の分を合わせると28%余りの株式を保有している。

報告書などによると、白石氏は会長から相談役に退いた昭和62年以降、勤務実態がほとんどなかったにもかかわらず、関連会社などを含め年間4千万円以上の報酬を受け取っていた。HD側が支払いを停止した昨年までの総額は16億4700万円余りに上った。

また平成10年以降、少なくとも計2億5900万円の私邸管理費が会社側から支出されていた。

報告書は、約16億円の報酬は特定株主への資金提供を禁じた会社法120条に抵触すると指摘。私邸管理費についても同法が禁じる「財産上の利益の供与」にあたると判断した。

違法な支出が続いた理由について、「(白石氏の)処遇に触れること自体をタブー視する組織風土が役員間で醸成され、状態が維持されてきた」としている。

この日、京都市内で記者会見したHDの山本忠道社長は、「白石家への過剰な聖域化が、前例踏襲や事なかれ主義による思考停止につながった。重く受け止めている」と述べた。

山本社長は、民法が定める10年の時効などを考慮した上で、白石氏や関与した元役員らに報酬などの返還を求める方針を示した。

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