杉並の横断防止柵117カ所ボルト・ナット外れ 都「極めて異例で不気味」

ボルトとナットが外れたイチョウ柵。触れれば柵が動くような不安定な状態のものもあったという(関係者提供)
ボルトとナットが外れたイチョウ柵。触れれば柵が動くような不安定な状態のものもあったという(関係者提供)

東京都杉並区の都道で今年3月、歩行者の横断を防ぐための「横断防止柵」を支えるボルトやナットが大量に外れる事例が確認されていたことが21日、関係者への取材で分かった。約600メートルの区間で117件もの脱落があった。なぜ外れたのか、あるいは盗まれたのか。過去には柵が倒れて女性がけがを負ったケースもあった。しかし都は「原因を調査する予定はない」としており、謎は〝迷宮入り〟となりそうだ。

部品が外れていたのは、同区の大久保通りから中野区との境にかけた区間で、片側1車線の道路。イチョウのマークが入った「イチョウ柵」と呼ばれる型の横断防止柵が、断続的に設置されていた。このうち117カ所で、ナットがなかったり、ボルトとナットが外れていたりする異常があった。都は3月14日に事態を把握し、業者を派遣して修理した。

関係者によると、イチョウ柵は支柱と柵をボルトとナットでつなぐ仕組み。連結部分は簡単な工具があれば取り外せる構造で、引っ越し業者が荷物を搬入するために柵を撤去した後、そのまま放置した事例があった。また、走行する車の振動で部品が緩んだと思われる事例もあったという。

ただ、イチョウ柵をつくるメーカーの幹部は、約10年前から都の要請で「ワッシャー」と呼ばれる緩み止めの部品をイチョウ柵に付けるようになったと明かし、「今では自然には外れないようになっている。人為的に外されたとしか考えられない」と指摘した。

隣接する中野区では過去にガードパイプが倒れ、寄りかかっていた女性が全治約1カ月のけがを負う事故が発生。区の調査で、一部のボルトが外れていたことが判明している。

都の担当者は産経新聞の取材に、約600メートルという区間で3桁の異常が確認されるのは「極めて異例で不気味」と話したが、原因について調査する予定はないと説明。その上で「異変に気付いた場合は、道路を管理する自治体に相談してほしい」と呼び掛けた。(竹之内秀介)

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