ウクライナ、マリウポリの市民ら救出へ露に交渉提案

ウクライナ・マリウポリから退避するため、バスを待つ避難民ら=20日(ロイター=共同)
ウクライナ・マリウポリから退避するため、バスを待つ避難民ら=20日(ロイター=共同)

ロシア軍が制圧を図るウクライナ東部の要衝マリウポリで、露国防省は20日、市内の製鉄所に籠城するウクライナ軍側兵士らが、露軍が要求していた同日午後2時(日本時間同8時)までの投降に応じなかったと発表した。

一方、ウクライナ政府のポドリャク大統領府顧問は21日までに、製鉄所内にいる兵士や民間人を救出するため、露側に「前提条件をつけない特別交渉」を提案したと交流サイト(SNS)で明らかにした。露側が合意すれば、マリウポリで直接交渉を実施する用意があるとしている。

マリウポリ市内のアゾフスタリ製鉄所にはウクライナ軍兵士ら約2500人が籠城しているほか、民間人約1000人が避難しているとみられている。

交渉が実施されれば、ウクライナ軍のマリウポリからの完全撤退につながる可能性があるが、難航は必至だ。東部制圧を目指す露軍の進撃を遅らせようと、ウクライナが時間稼ぎをする狙いもありそうだ。

インタファクス通信によると、露軍に支援部隊を送っている露南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、露軍が「21日の日中にアゾフスタリ製鉄所を完全制圧する」と述べた。

露国防省は20日、露軍が前日からウクライナ東部などの73カ所の武器貯蔵庫や軍事施設などを攻撃したと発表した。東部ハリコフ州やドネツク州などでは精密誘導ミサイルによる攻撃も実施された。

露国防省はまた、東部ルガンスク州の前線でもウクライナ側の複数の拠点を制圧したとしているが、地上部隊の前進は一部にとどまっているとみられる。

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