欧米、露に反発し一斉退席か G20財務相会議開幕

G20財務相・中央銀行総裁会議の会場に向かう鈴木財務相(手前左)=20日、ワシントン(共同)
G20財務相・中央銀行総裁会議の会場に向かう鈴木財務相(手前左)=20日、ワシントン(共同)

【ワシントン=塩原永久】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が20日、米首都ワシントンで始まった。ロイター通信によると欧米の複数の参加国が会合中、ロシアへの抗議を示すため一斉退席を計画している。世界経済を取り巻く課題が山積するが、共同声明の採択は見送られる見通し。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり参加国の分断が鮮明になる波乱含みの会議となるとみられる。

ロシアの侵略後、G20財務相・中銀総裁会議は初めて。ロシアはシルアノフ財務相がオンラインで参加する意向という。3月初めの国連人権理事会ではロシアのラブロフ外相がオンラインで演説中、多数の外交団が一斉退席した例がある。

同通信によると今回、西側諸国から、会合を退席するかたちでロシアへの抗議表明が行われる見込み。先進7カ国(G7)の米欧が中心となり、中国などは同調しないもようだ。

7日に国連総会でロシアの人権理事会の理事国資格を停止する決議案を採決した際は、G20から中国が反対し、インドやブラジルなど主要新興国が棄権に回った。対露包囲網で足並みがそろわない国際社会の実情が浮かび上がった。

今回も一斉退席やボイコットといった抗議表明が起き、共同声明採択に失敗すれば、先進国と新興国が一堂に会するG20の存在意義に疑義が生じかねない。

イエレン米財務長官はG20会議冒頭の世界経済のセッションに出席するが、ほかの複数の会合をボイコットする。ロイターによると英国も追随するという。

一方、新型コロナウイルス禍から回復途上の世界経済は、侵略で成長が下振れする。国際通貨基金(IMF)は2022年の世界成長率が3・6%と予測し、1月時点の見通しから0・8ポイント下方修正した。

G20では、途上国の債務問題や、感染症対応を含む保健対策、食糧の価格高騰や供給危機も課題となっており、一致点を探れるかが焦点となる。G20議長国のインドネシアの財務相は19日、食糧問題を最初のセッションの重要議題として取り上げる意向を示した。

会員限定記事会員サービス詳細