大阪府寝屋川市で3月、専門学校生の男性(20)が刃物で刺され死亡した事件で、大阪家裁は20日、強盗殺人容疑で逮捕、家裁送致された男(19)の少年審判を開き、強盗致死の疑いに切り替えて検察官送致(逆送)する決定をした。大阪地検が勾留期間の10日以内に起訴し、裁判員裁判で審理される見通し。
今月1日に施行された改正民法で成人年齢は18歳に引き下げられたが、少年法は引き続き20歳未満にも適用。このうち18、19歳は「特定少年」と位置付けられ、起訴されれば実名報道が可能になる。地検が氏名を公表すれば、甲府市の放火殺人事件の被告に続いて2例目になるとみられる。
真鍋秀永裁判官は決定理由で、男が刃物を使ったときの状況から「被害者が死ぬとは考えていなかった疑いを生じさせる」として殺意を認定しなかった。一方、金品を奪う目的で激しい暴行を加えたと指摘し、「人命を軽視する犯罪で重い責任を問われるべきだ」として刑事処分が相当だと結論づけた。
大阪府警は3月、男女4人を強盗殺人容疑で逮捕。地検は19歳男を同容疑で、18歳男を強盗致死容疑に切り替えて家裁送致したほか、成人の2人を強盗致死罪で起訴している。家裁は18歳男についても近く決定を出すとみられる。
家裁の決定によると、3月1日午後11時50分ごろ、大阪府寝屋川市の路上で、男性の顔に催涙スプレーを吹きかけて特殊警棒で殴るなどし、刃物で背中を突き刺して死亡させ、現金約13万円などが入ったバッグを奪ったとしている。