夏の参院選で、国民民主党が20日、京都選挙区(改選数2)に日本維新の会が公認候補として擁立を決めた新人で会社員の楠井祐子氏(54)の推薦を決めた。元民主党系で前回選挙では協力関係だった立憲民主党と国民がたもとを分かつことになり、選挙の行方は混沌(こんとん)としてきた。
ほかに立候補を表明しているのは、自民新人で京都市議の吉井章氏(55)▽立民現職で前党幹事長の福山哲郎氏(60)▽共産新人で元長岡京市議の武山彩子氏(51)-で、4人の激しい争いが展開されそうだ。
当初、国民は独自候補の擁立を模索。維新は昨年の衆院選比例で、京都府内では自民に次ぐ票を獲得したほか、今月10日投開票の府議補選京都市北区選挙区でも新人が他党候補を破った。維新は京都選挙区を議席獲得が見込める「最重点選挙区」に位置づけており、両党の協力表明に各党は警戒感を表す。
立民府連の幹部は「国民の前原誠司選挙対策委員長が維新寄りの発言をしており、事態は予想していた」と話す。関係者によると、立民府連は3月、国民府連へ選挙協力を要請したが、特に返答はなく、この幹部は「厳しい選挙になるが、顔ぶれが出そろい、すっきりした」と述べた。
立民、国民の支持基盤となる連合京都はすでに福山氏の推薦を決定。広岡和晃会長は20日、「福山氏推薦に変更はない」としたものの、「立民は一本化に向けてきちんと国民と調整するべきだった」と、立民の調整不足に苦言を呈した。
共産党府委員会幹部は「維新も、維新にすりよる国民も、政権与党の補完勢力にすぎないことがはっきりした。選挙戦で明確にしていきたい」と話した。(平岡康彦)