主張

韓国訪日団 関係改善望むなら行動で

国会議員や専門家で構成する韓国の尹錫悦次期政権の代表団が24日から来日する。代表団は事実上の政権移行チームで、大統領就任前に来日するのは初めてだ。

文在寅政権下で「戦後最悪レベル」にまで落ち込んだ日韓関係の正常化へ向けた一歩であり、まずはこの動きを歓迎したい。松野博一官房長官は「日韓関係を健全な関係に戻すべく、訪日の機会を捉えて新政権と緊密に意思疎通していく」と語った。

尹氏側は4月上旬、米国へ代表団を派遣し、日本は2番目だ。文政権の親北・親中国路線から百八十度転換し、日米韓の安全保障協力を重視する姿勢を内外に示す狙いがあるとみられる。

文政権下では、日米韓の連携が機能しなかった。北朝鮮は新型戦術誘導兵器など各種のミサイル発射を繰り返し、7度目の核実験の兆候を見せている。文氏は中国に対しても及び腰だ。在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の追加配備を見送った。尹氏は中朝に毅然(きぜん)とした姿勢を示せるのか。

東アジアの平和と安定には、文政権下で損なわれた米韓、日韓関係の修復が前提となる。特に日本と韓国の間で重要なのは、韓国が一方的に反故(ほご)にしてきた「国と国との約束を守ること」である。

慰安婦問題では、「最終的かつ不可逆的な解決」を外相会談で確認した7年前の日韓合意を確実に履行することだ。いわゆる徴用工訴訟など戦後賠償をめぐっては、「問題の完全かつ最終的な解決」が明記された日韓基本条約の順守が必要不可欠だ。

尹氏は最近、米紙のインタビューに「韓日関係を国内政治に利用しない」と述べた。当選直後の岸田文雄首相との電話会談では「未来志向的な韓日関係をつくる」と約束した。

その言は良い。だが、実際の行動で示さなければ信用するわけにはいかない。後に反日に舵(かじ)を切る政権も少なくないからだ。李明博元大統領が竹島に上陸したのがその典型だ。本気で日韓関係の改善を図る意欲があるのなら、慰安婦問題や徴用工訴訟にどう対応する考えなのか、尹氏は具体的な方針を明らかにすべきである。

政権移行チームの来日が単なる顔見せ興行とならぬよう、尹氏には、新政権のトップとして指導力を発揮してもらいたい。

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