【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は20日、強制労働を禁じる国際労働機関(ILO)の条約批准を決めた。
批准するのは、ILOが1930年と57年に採択した条約。政治的圧制や教育、宗教的差別待遇の手段としての強制労働を禁じることなどを定めている。
批准すればILOに条約の履行状況について報告する義務を負うが、ILOには強制的に現地査察を行う権限などはなく、中国側が厳格な措置をとるかは不透明だ。
中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での強制労働疑惑が問題化する中、国際社会の批判を回避するとともに、欧州連合(EU)との関係改善につなげる狙いがある。