韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が派遣する代表団と25日に面会する超党派「日韓議員連盟」の武田良太幹事長(自民)に話を聞いた。
--日韓関係の現状は
「ロシアのウクライナ侵略を目の当たりにしている今、地域の平和と安定、繁栄には日韓の協力が極めて重要なのは論をまたない。ただ両国間には課題が山積しているのも事実だ。いろいろな価値観があるが、地域の秩序の安定にはルールを重んじなければならない。そのルールとは両国間で決めた約束を確実に履行し、信頼関係を醸成することだ。信頼関係の積み重ねがなくては話にならない」
--尹氏への期待は
「まず慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した2015年の日韓合意の確実な履行を求めたい。約束が履行されないのに次の約束をするのは、あり得ない。旧朝鮮半島出身労働者(いわゆる徴用工)をめぐる国際法違反の韓国最高裁判決によって生じた課題もある。万が一、韓国で日本企業の資産が現金化されれば、日韓関係はなおさらこじれてしまう」
--歴史問題が前に進まなかったとの批判もある
「根気強く交渉を進めることで解決策が生まれると希望を持ちながら進めるのが外交だ。韓国側でも『文在寅(ムン・ジェイン)大統領の日韓関係の対応は十分ではなかった』との声が出ており、政策転換に意欲のある韓国の議員も増えてきたと感じている。この機を捉え、今年設立50年を迎える日韓議連の幹事長として日韓関係の再構築に取り組む所存だ」(聞き手 広池慶一、大島悠亮)