在外邦人国民審査訴訟、憲法判断へ 最高裁で弁論

最高裁判所=東京都千代田区
最高裁判所=東京都千代田区

海外に住む日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないことの違憲性について争われた訴訟で、原告と国の意見を聞く上告審弁論が20日、裁判官15人全員で審理する最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)で開かれ、結審した。1、2審とも「違憲」としており、最高裁も憲法判断する見通し。判決期日は後日指定される。

原告は映画監督の想田(そうだ)和弘さん(51)ら5人。平成29年の衆院選と同時に行われた国民審査で在外邦人有権者に審査用紙が配られず投票できなかったのは違憲だとして、国への損害賠償のほか、次回の国民審査で投票できる地位の確認などを求めて提訴した。

この日の弁論では、原告本人や代理人らが意見陳述。原告の一人でブラジル在住の平野司さんも一時帰国して法廷に立ち「在外邦人としての感情を率直に言うと、国民として疎外感を感じている。同じような思いを抱えている法人が世界中にいることを認識してほしい」と訴えた。

これに対し国側は「最高裁裁判官の民主的統制は国会の信任を受けた内閣の任命または指名という仕組みで担保されている。国民審査制度は例外的、補完的なものだ」などと反論した。

1審東京地裁判決は令和元年5月、長期間にわたり国会が審査制度の立法措置をとらなかったのは違憲と認め、国に賠償を命じた。2年6月の2審東京高裁も1審に続き違憲と判断。海外在住を理由に次回審査で投票させないことも違法だと認めた一方、賠償請求については退けた。

会員限定記事会員サービス詳細