美村里江のミゴコロ

魔女の一撃

美村里江さん
美村里江さん

先週に続き情けない話になってしまうが、久しぶりに魔女の一撃を食らってしまった。いわゆる「ぎっくり腰」である。

そこまでひと月ほど撮影が過密で、合間に執筆その他の仕事もあり、疲労と長時間の座り仕事で腰が固まってしまった。本来こういう時こそ軽い運動を挟んでリフレッシュするのだが、「もう3日だけだしいけるかな」と、つい根を詰めてしまったのだ。

そんな状況で迎えた時代劇の撮影。京都はまだ冷え込み、疲労した腰の硬さも顕著になる。さらに和装は姿勢に制限がある分、全体の筋肉を満遍なく使うことが難しい。終わったらストレッチして、お風呂でよく温めてから寝ないとなあ…。

ここでひと言「ヨイショ」と言っておけばよかったと思う。考え事をしながらふと立ち上がったため、左足がシュッと畳の上をあらぬ方向へ滑ってしまったのだ。

乾燥した畳はツルツルでよく滑るので、足袋を履いた足で動くときはしっかり足指を使わないと危険。分かっていたのについ気軽に動いてしまい、こけないように途中で足に力を入れたため、「ミキッ」と嫌な感触が走った。

冷や汗をかきつつ、恐る恐る体勢を整え確認する。右足、大丈夫。左足、少し太ももが力んでいる。腰回り、硬い、けど動ける。よしよしセーフ! いやあ危なかった。

とはいえ、踏ん張った瞬間は鈍痛が走ったので、宿泊先に戻りすぐに腰をアイシング。冷たくて痛い、と感じるまで何度か冷やし、血行促進。足腰のストレッチも丁寧に行い、入浴しながら足の裏も入念にもんで、全体が適度に緩んだのを感じた。

よかったよかった。残る撮影も残すところ1日。早く寝ようと午後9時消灯。

…夜中。ふと目が覚めて時計を見ると午前2時。まだ4時間も眠れるぞ、とぜいたくな気持ちになりつつ、薄暗がりを移動し手洗いへ。洗面所のライトをパチリと入れた直後、明るさに反応してくしゃみが出た。

「へっくしっ」

ビキッ!!

完全に漫画のフォントと、稲妻効果のベタフラッシュが腰を走り抜けたのを感じた。ああ~! せっかくここまで回避したのに…。中腰のまま数分固まった夜中の一撃であった。

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