自民、トリガー先送りで国民民主の顔立てる

東京都内のガソリンスタンドで給油する人
東京都内のガソリンスタンドで給油する人

自民、公明、国民民主の3党は19日、ガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」凍結解除について先送りすることで合意した。自民は解除に当初から慎重だったが、国民民主が政府提出の令和4年度予算の国会採決で賛成したことへの見返りとして協議に応じた。解除はせず、一方で国民民主側の顔も立てなくてはならない中で、いかに着地させるかに腐心した。

3党検討チームの自民メンバーを務めた加藤勝信前官房長官は19日に取りまとめた合意書で、補助金制度の拡充に関し「トリガー条項発動の効果を上回る価格高騰にも対応できるよう」と明記。レギュラーガソリン1リットルあたり172円に価格を抑制するとしている基準を切り下げることも盛り込み、国民民主が求めた凍結解除と実質的に同等以上の価格下落効果が得られるよう配慮した。

トリガー条項についても「早期に結論が得られるよう、引き続き検討する」と今後の凍結解除の可能性に含みを持たせた。国民民主は参院選に向けて解除を主張し続けられる。

検討チームは3月の第1回会合で、トリガー条項による減税の対象にならない灯油と重油も含めて対策を講じる必要があるとの認識で一致した。当面は補助金拡充で対処すべきだという結論に導くための布石ともいえた。

国民民主は凍結解除にはこぎ付けられなかったものの、補助金拡充によってガソリン価格が下がる見通しがついたとして、一定の成果を得たと認識している。榛葉賀津也幹事長は幹事長会談後、記者団に「(3党協議の)結果を極めて評価している」と強調した。

令和4年度予算に賛成したのも、トリガー凍結解除を実現するため。他の野党からは「与党化」と批判された。リスクを伴う決断だっただけに、玉木雄一郎代表は幹事長会談に先立つ19日の記者会見で「トリガーをまったくやらないのであれば、協議を重ねてきた意味がない」と協議からの離脱もちらつかせた。

ただ、3党合意がガソリン価格下落の見通しが立つ内容となった上、国民民主が重視する「ヤングケアラー」支援についても検討チーム設置で合意し、前進する可能性が高まった。幹部は「反対ばかりしていてもこうはならなかった」と政策実現への手応えを口にした。(田中一世、大橋拓史)

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