米、南太平洋への関与鮮明 ソロモン諸島などに使節団

NSCのキャンベル・インド太平洋調整官(ロイター)
NSCのキャンベル・インド太平洋調整官(ロイター)

【ワシントン=大内清、北京=三塚聖平】バイデン米政権は18日、国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官やクリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)らを今週、南太平洋のソロモン諸島やフィジー、パプアニューギニアに派遣すると発表した。南太平洋地域での影響力を拡大させ、軍事拠点の構築を図る中国に対抗し、地域への関与を鮮明にする狙いがある。

ホワイトハウスによると、キャンベル氏とクリテンブリンク氏が率いる使節団には、NSCや国務省、国防総省、国際開発局(USAID)の代表や実務担当者らも参加する。「(南太平洋諸国との)関係を強化し、自由で開かれて強靱(きょうじん)なインド太平洋を前進させる」とし、現地政府高官らと会談を重ねる予定だ。

一方、中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は19日の記者会見で、中国とソロモン諸島が安全保障協力に関する協定を結んだと発表した。インターネット上に流出した草案では、中国艦艇の寄港や物資補給を認めることや、ソロモンが治安維持面で必要な場合、中国に武装警察や軍の派遣を要請できることなどが記されている。

汪氏は、同協定について「ソロモン社会の安定を促進するものだ」と強調。その上で「公開、透明、開放的な協力方法であり、いかなる第三者を標的にしたものでもない」と主張した。会見では協定の詳細について明らかにしなかった。

米使節団のソロモン諸島などへの訪問に対し「太平洋島嶼国は誰かの裏庭ではなく、自主的に協力パートナーを選ぶ権利を持っている」と牽制した。

2019年にソロモンは台湾と断交し、中国と国交を樹立している。

バイデン政権は、2月に発表した「インド太平洋戦略」に太平洋島嶼(とうしょ)諸国の防衛力強化に関与することなどを盛り込み、中国との競争に注力する姿勢を鮮明にしている。ブリンケン国務長官も同月にフィジーなどを訪問し、ソロモンに米大使館を開設する計画を発表していた。

国務省のプライス報道官は18日の定例記者会見で、米国が中国に比べて「(地域に)どのような利益をもたらすか」を示す機会になると意義を強調した。

使節団はハワイにも立ち寄り、インド太平洋軍司令部の高官らと地域情勢などを協議する見通しだ。

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