IMF、世界成長率3・6%に下方修正 侵攻と制裁響く

国際通貨基金(IMF)の本部ビル=米ワシントン(ロイター)
国際通貨基金(IMF)の本部ビル=米ワシントン(ロイター)

【ワシントン=塩原永久】国際通貨基金(IMF)は19日発表した世界経済見通しの改訂版で、2022年の世界成長率を3・6%と予測した。ウクライナでの戦争と、米欧などによる対ロシア制裁の影響が波及し、前回1月の予測から0・8ポイントの大幅な下方修正となった。見通しには極めて高い不確実性があり、戦禍の拡大や制裁強化など一層、下振れする可能性があるとしている。

グランシャ経済顧問兼調査局長は「世界経済の先行きはロシアによる侵略で大きく後退した」と指摘。新型コロナウイルス禍からの回復途上で戦争という新たな危機が起こり、物価高や供給網の混乱を悪化させるリスクにも懸念を示した。

世界成長率は23年も3・6%にとどまると予想。1月から0・2ポイント下げた。

米国は22年が3・7%と前回から0・3ポイントの下方修正。23年を2・3%と見込み、0・3ポイント下げた。ユーロ圏は22年に前回予想より1・1ポイント低い2・8%になる見通し。ロシアやウクライナの不況が響く。23年は2・3%と0・2ポイントの引き下げとなった。

中国は22年に4・4%と0・4ポイントの下方修正。23年は5・1%と0・1ポイント下げた。新型コロナの感染再拡大で厳しい感染防止策が広がり、景気を下押しする。

日本は22年に2・4%と1月から0・9ポイントの引き下げ。戦争と中国経済の成長鈍化が要因となる。同年が下がった反動で、23年は前回予測から0・5ポイント引き上げ2・3%を見通した。

IMFは22年の先進国の物価上昇率を5・7%と想定し、1月から1・8ポイントも引き上げた。「インフレが多くの国にとって明白な目前の危機となる」(グランシャ氏)としている。米国などを中心に利上げが加速し、多額の債務を抱える新興国では資金流出のリスクが高まる恐れがある。

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