いじめ対応めぐる謝罪は誰が…被害者と教委に溝 浜松

浜松市立小中学校に通学していた女性(18)が受けたいじめに対し、市教育委員会の調査は「不適切」と市の第三者委員会が指摘した問題で、女性側と市教委の間で謝罪対応をめぐる意見の隔たりが鮮明になっている。いじめ被害に適切に対応しなかった当時の学校関係者に謝罪を求める女性側。一方、市教委側は現在の教育長の謝罪を申し入れており、両者の溝が埋まる気配はみられない。

「いじめを訴えているのに、『家庭が原因』『本人に理由がある』という対応だった(中学生)当時の学校関係者に謝罪してほしい」。19日、浜松市役所。女性の母親は記者会見で、当事者による謝罪を改めて求めた上で、「謝ってもらえれば(女性も)一歩踏み出せるきっかけになる」と語った。

第三者委が市教委の調査について「不適切」とした報告書をまとめた3月22日以降、女性側は市教委に、当事者の謝罪を繰り返し要求してきた。

しかし19日、女性側とは別に記者会見に臨んだ市教委の田中孝太郎学校教育部長は「当時の担当者(学校関係者)は、組織の中で上司の指示で対応している。その意味で組織の長である教育長が直接、謝罪するのがわれわれの考え方だ」と譲らなかった。

これに対し、女性の両親とともに会見に出席した支援団体「ヒューマンラブエイド」の仲野繁共同代表は「(当事者ではない)知らない人に謝罪されても女性本人は納得しない。当事者が謝罪するのが筋だ」と憤る。

一連のいじめ被害をめぐり、女性は小学1年から5年までの約5年間と中学1年の時にいじめを受けた。中学3年だった平成30年5月、保護者が「同級生から受けたいじめが原因で精神疾患を発症している」と市教委に相談。学校職員らでつくる調査委がいじめの重大事態として関係者に聞き取りをするなどした。

しかし、メンバーに第三者が含まれていないことなどに保護者が反発し、全容を解明できないまま調査を終えたことから、第三者委が発足、今年3月に報告書をまとめた。

両親らによると、女性はいじめ被害による心的外傷後ストレス障害(PTSD)から回復しておらず、「かなり傷が深い」(母親)という。

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