ロシア軍、移動火葬車で遺体焼却か ウクライナ当局「証拠隠滅」

17日、ウクライナ・マリウポリで破壊された戦車の脇を歩く人々(ロイター)
17日、ウクライナ・マリウポリで破壊された戦車の脇を歩く人々(ロイター)

ロシア軍がウクライナ東部マリウポリなどで、移動火葬車を使い死亡した市民や露軍兵の遺体を焼却している疑いが浮上している。首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどで多数の民間人の遺体が発見され、露軍は国際的な非難を浴びた。ウクライナ国防省は、露軍が遺体焼却により「犯罪行為の証拠を消し去ろうとしている」と主張している。

市内のほぼ全域が破壊され、民間人2万人以上が死亡したとされるマリウポリのボイチェンコ市長はAP通信の取材に「露軍はトラック型の移動火葬車を使っている」と証言。トラック内部は「筒状になっており、そこで遺体を燃やす構造になっている」と語った。民間人の遺体が市内の商業施設の冷蔵設備で保管されているとも訴えた。

ウクライナ国防省は、マリウポリでは移動火葬車13台が稼働していると指摘。キーウ北方のチェルニヒウ州や東部ルガンスク州でも使用された可能性があるという。死亡した露軍兵の遺体焼却にも使われているとしている。

キーウ近郊ブチャなどでは露軍撤退後、殺害され放置された多数の民間人の遺体が発見され、露軍による残虐行為として国際的に非難された。

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