1922年はソ連の独裁者スターリンが4月に共産党書記長となって実権を握り、12月にはソ連が正式成立した年だ。それから100年。ロシアのプーチン大統領は大義なきウクライナ侵略で「焦土化作戦と無慈悲な虐殺」(在京外交筋)を続けている。一方で、徹底的な言論弾圧と反体制派粛清、米欧諸国の経済制裁による国民の生活困難などで、ロシアをソ連史上最も苛酷なスターリン時代に逆戻りさせた。国際的孤絶が進む中で「プーチンの戦争犯罪」は自身とロシア双方の破滅への道となろう。
在日ウクライナ人国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏が「スターリンの生まれ変わり」と呼ぶプーチン氏の暴挙は、本人が何度も口にする「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学的大惨事」との論に倣うなら、「21世紀最大の地政学的秩序の大破壊」として世界史に刻まれるのは確実だ。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)攻略に失敗したプーチン氏は軍事戦略・戦術の稚拙さを残忍さで補うように、すでに「独立」を承認した東部2州からロシアが併合したクリミア半島への「陸の回廊」を占領する算段だ。そのためにシリア内戦への露軍介入で「シリアの虐殺者」と恐れられたドボルニコフ将軍を作戦の総司令官に抜擢(ばってき)した。