「マリウポリ降伏せず」とウクライナ首相 ハリコフでは反攻

ウクライナ・マリウポリ市街。遠くにイリイッチ製鉄所が見える=14日(ロイター)
ウクライナ・マリウポリ市街。遠くにイリイッチ製鉄所が見える=14日(ロイター)

ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナのシュミハリ首相は17日、米ABC放送のインタビューに、露軍が降伏を勧告した東部マリウポリの守備隊について「最後まで戦うだろう」と述べ、降伏勧告に応じないとの見通しを示した。一方、東部ハリコフ州のシネグボフ知事は同日、同州内で反攻作戦が成功していると明らかにした。

マリウポリをめぐっては露国防省が16日、市街地を制圧したと主張。アゾフスタリ製鉄所で籠城している守備隊に降伏を勧告し、応じない場合は「命は保証しない」と警告していた。

ABCによると、シュミハリ氏は「守備隊は残っており、マリウポリは陥落していない」と強調。守備隊は降伏しないとも述べた。

米誌タイムの記者も、接触に成功した守備隊員が「降伏は選択肢にない」と話した、とツイッターで明らかにした。守備隊員は多数の露軍をマリウポリに引き付け、他の都市の住民が救出される機会をつくり出せたことに達成感を示したという。

一方、ハリコフ州知事のシネグボフ氏は17日、SNS(交流サイト)を通じ、「反攻作戦の結果、複数の集落を奪還した」と発表。露軍を東方向に後退させているとも明らかにした。

北部から撤退した露軍は現在、主要目標とする東部に兵力を移動させており、今後、東部で戦闘のさらなる激化が予想されている。

露国防省は同日、ハリコフ州と東部ドネツク州の燃料貯蔵施設と弾薬庫をミサイル攻撃で破壊したと発表した。

会員限定記事会員サービス詳細