フランス大統領選で極右「国民連合」のマリーヌ・ルペン候補は2017年の前回選挙に続き、決選投票に進出した。欧州連合(EU)離脱など過激な主張を取り下げ、生活支援を訴えて地方に浸透する戦略が奏功した。ルペン氏の地盤、仏北部エナンボーモンで極右躍進の背景を追った。(エナンボーモン 三井美奈)
週末市場を訪ねると、国民連合のスティーブ・ブリオワ市長が「元気かい」と住民に声をかけながら、ルペン氏の選挙ビラを手渡していた。市長は「17年の前回選挙時より、手応えを感じる。長く『極右』と卑しめられてきたが、時代は変わった」と話す。
10日の大統領選第1回投票で、ルペン氏のエナンボーモンでの得票率は51%に上った。マクロン大統領は17%で、市内では選挙ポスターすら見当たらない。