初の司法取引適用のタイ汚職事件で最高裁が弁論

司法取引制度が初めて適用されたタイの発電所に絡む贈賄事件で、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の罪に問われた「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、現三菱パワー)の元取締役、内田聡被告(67)の上告審弁論が18日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれ、結審した。

タイ当局者から賄賂を要求されたことについて被告が「仕方がないな」と発言したことが贈賄の了承に当たるかなどが争点。1審東京地裁は部下との共謀が成立すると認定し懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡したが、2審東京高裁は同罪の幇助(ほうじょ)を適用し罰金250万円とした。

検察側と弁護側の双方が上告。2審の結論が見直される可能性がある。判決期日は後日指定される。

この日の弁論で検察側は「被告は実質的な意思決定権限を持っており、部下との共謀が認められる」と指摘。弁護側は「現金供与に替わる手段を検討するよう指示しており、共謀や幇助は成立しない」として無罪を主張した。

1、2審判決によると、元執行役員ら2人=いずれも有罪確定=と共謀し平成27年2月、港に資材を荷揚げする際、タイ運輸省港湾局の支局長から許可条件に違反すると指摘され、黙認してもらう見返りに当時のレートで約3990万円相当の現地通貨を支払った。

司法取引(協議・合意制度)は平成30年6月に導入。MHPSは、捜査や公判に協力する代わりに法人の起訴を免れるとの内容で検察と合意した。

会員限定記事会員サービス詳細