アイを混ぜた麹みそで特許取得 ポリフェノール1・2倍

アイを混ぜた麹(左)と、それを使ったみそを手にアイの持つ魅力をPRする長坂さや香さん=青森県鰺ケ沢町(福田徳行撮影)
アイを混ぜた麹(左)と、それを使ったみそを手にアイの持つ魅力をPRする長坂さや香さん=青森県鰺ケ沢町(福田徳行撮影)

青森県深浦町 みちのく温泉旅館社長 長坂さや香さん(44)

藍染めの原料として知られるタデ科の植物「タデアイ」の微細粉末を付着させた麹と、それを使ったみその製造で特許を取得した。アイと麹には、抗酸化作用が強く動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つポリフェノールが含まれていることが知られている。日本が誇る発酵食品・みそを合わせることで「アイの持つ無限の可能性と健康食品としてPRしたい」と意気込む。

アイは染料の原材料だけでなく、古来、薬草として広く重宝されてきた。昨夏の東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムにも採用されるなど、国内外から「ジャパンブルー」として大きな注目を集めた。

数多くの種類があるアイの中でも日本ではタデアイが主流で、徳島県や北海道、青森県などで盛んに栽培されている。

特に、青森県内では農薬不使用で栽培されたアイを「あおもり藍」としてPRしており、葉から抽出したエキスを使った消臭スプレーなど、さまざまな商品が加工・販売されているほか、お菓子なども人気だ。

以前からアイの持つ幅広い機能性に魅力を感じ、成分などを調べるうちに体に良い作用があることを知った。「アイを粉末にしてコメに取り入れ、麹にすればみそ汁や甘酒など、多くの人に手軽に味わってもらえる」と一念発起。旅館経営の傍ら、約5年前からアイとみそを使った研究と特許取得への挑戦が始まった。

水に浸したコメを蒸して、麹菌とアイを細かく砕いた粉末を混ぜて麹を作るが、そのための最適な温度を探るために試行錯誤。完成したアイを混ぜた麹は、従来の麹よりもポリフェノールが1・2倍以上増えたことを立証した。その麹を使ったみそも発酵期間が従来の約3分の2に短縮され、2カ月程度でみそを完成させることができるという。「温度管理が大変だったが、あっという間に時間が過ぎていった」

令和2年9月に特許を申請し、今年3月に登録された。この間、何度も申請がはねつけられたが「絶対、体に良いものだと確信していたので諦めることはしたくなかった」と振り返る。

アイと麹とみその付加価値を広め、ブランド化を目指すために今後はインターネット通販のほか、スーパーなどでの販売も視野に入れながら商品化を図る。

いまだ収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの影響で改めて健康の大切が再認識されている昨今。特許取得を契機に「健康維持に役立ててもらいたいと同時に、アイの持つ可能性をこれからも追求していきたい」と意欲を見せる。(福田徳行)

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