さいたま市は、外国人に対し災害情報や生活支援情報、見どころの観光スポットなどをタイムリーに伝えるため、交流サイト(SNS)の活用に力を入れている。先月末に開設したツイッターとインスタグラムの市公式アカウントで、英語と日本語による情報発信を担当するのは、観光国際課に務める海外出身の2人の国際交流員だ。日本に来て自身が戸惑いを抱いた経験を生かし、分かりやすく伝えることを心がけている。
2人は、オーストラリアのシドニー出身のヒ・ダイアンさん(39)と、米国のシアトル出身のヒューストン・ローレンさん(26)。ダイアンさんはアニメと漫画の「ドラゴンボール」、ローレンさんは日本の城などに興味を持ったことがきっかけで日本で暮らすようになった。
日本好きの2人だが、来日当初は「狭くてよく曲がっているし行き止まりも多い」という日本の道や、重要な手続きで印鑑を必要とする習慣に驚いたという。
「日本人には感覚的に分かっても、外国人には難しいことがたくさん」とダイアンさん。市公式アカウントでの発信で「生活に必要なことや知るべきことをできるだけ分かりやすく伝えたい。市内だけでなく、SNSの情報を頼りにしている他の地域の外国人にも役立つことができれば」と話す。
ローレンさんは「まずはSNSなどで外国人を支えたい。新型コロナウイルスの感染が収まれば交流もしていきたい」と意気込んだ。(兼松康)