モモの花が満開を迎えた福島県桑折町で17日未明、気温が氷点下に下がり、霜対策として畑で暖を取るための火が次々にたかれ、辺りは幻想的な雰囲気に包まれた。昨年は同じ時期に霜が降りて花が枯れ、実がほとんど収穫できない畑もあり、この日は農家が未明から作業に追われた。
桑折町は皇室に献上するモモの産地として知られる。数日前から気温が下がる予報が出ており、伊達崎地区の生産者蓬田宗由さん(44)は17日午前0時過ぎから畑で待機し、午前3時半ごろ、気温が氷点下になったことを確認。花が冷気にさらされないよう、前日から並べておいた、米ぬかを使った燃焼材計20個に火を付けた。作業は気温が上がり始めた午前6時ごろに一段落。蓬田さんは「去年の経験もあったので、早めに手を打った」と話した。