「光免疫療法」と呼ばれる新たながん治療に、熱い視線が注がれている。世界に先駆け、日本で一部がん患者を対象とした治療が始まり、抗がん剤、手術、放射線、がん免疫薬に次ぐ〝第5のがん治療法〟として医療現場や患者の期待は大きい。同治療法の開発者で、米国立衛生研究所(NIH)主任研究員の小林久隆氏(60)は、「より多くの患者に治療を届けたい」と思いを語る。
体への負担少なく
光免疫療法は、革新的な手法でがん細胞をたたく。がん細胞にくっつく抗体と光に反応する化学物質を組み合わせた薬剤を点滴で投与すると、1日程度で抗体ががん細胞にたどり着く。患部に近赤外光のレーザーを当てると化学反応が起き、がん細胞が破壊される仕組みだ。