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新書『「おくのほそ道」をたどる旅 路線バスと徒歩で行く1612キロ』(下川裕治著、平凡社新書・968円)

「おくのほそ道」をたどる旅
「おくのほそ道」をたどる旅

芭蕉の吟行をまとめた『おくのほそ道』の旅路をたどる紀行文。旅にまつわる数々の本を刊行してきた著者ならではの筆致で、細部まで丁寧に描いている。

例えば、著者が旅立つときの描写。出航時間や橋の名前など詳細が書かれ、臨場感を味わえる。ともに出航したかのような気分を堪能してから、本書に収録された芭蕉の句「行春(ゆくはる)や鳥啼魚(とりなきうを)の目は泪(なみだ)」を読むと、ひときわ胸にしみる。

俳句が旅の絶妙なアクセントになっている。閉塞(へいそく)感の漂うコロナ禍の中で旅行気分も味わえる。

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