テクノロジーの起源は古代の石器づくりにさかのぼる。人類史のほとんどは石器の時代だ。その歩みをたどると、人類の生存戦略と躍進の道筋が見えてくる。
「奥歯の頑丈型」は絶滅
最初の人類は猿人と呼ばれ、約700万年前にアフリカで誕生した。脳の大きさはチンパンジーと同程度で現代人の約3分の1しかなく、直立二足歩行をしていた。果実や木の実などを食べていたようだ。
300万~250万年前、人類の興亡を左右する大きな出来事が起きた。気候の寒冷化と乾燥化が進み、森林が減って果実などを採集するのが難しくなり、新たな食べ物を探す必要に迫られたのだ。