主張

北欧2国の転換 「NATO加盟」は当然だ

北欧の中立国、フィンランドとスウェーデンがロシアの軍事的脅威に備えるため、北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けて動き出した。

フィンランドのマリン首相とスウェーデンのアンデション首相が共同会見し、加盟の意欲を表明した。

主権国家には、安全保障のため同盟相手を選ぶ権利がある。フィンランドとスウェーデンは、国連憲章を踏みにじってウクライナを侵略するロシアに近接している。不安を覚えてNATO加盟を申請するのは当然だ。

特にフィンランドはロシアと1340キロもの国境で接している。第二次世界大戦時には、ソ連軍に侵攻され、激しく抗戦した歴史がある。

共同会見で両首相は、2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻で安全保障環境が一変したとの認識を示した。マリン首相は「NATOに加盟しなければ、安全の保証が得られない」と述べ、加盟申請の是非を今後数週間で決めるとした。アンデション首相も早急に判断する考えを示した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国がNATOに加盟していればロシア軍の侵攻はなかっただろうと述べている。

米国、カナダと欧州の30カ国がつくるNATOは総兵力約330万の強力な軍事同盟だ。集団的自衛権に基づいて相互防衛する。

ロシアは、北欧2国のNATO加盟の動きに猛反発している。グルシコ外務次官は「軍事的状況の深刻な悪化をもたらし、最も望ましくない結果につながりかねない」と反対した。前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は「健全な思考の持ち主なら、国境付近にミサイルや核兵器搭載の軍艦が現れ、緊張が高まることを望まないだろう」とした。核兵器を持ち出した恫喝(どうかつ)そのものだ。

ロシア軍がフィンランド国境付近に向けて、ミサイルシステム2基を移動させている映像が報じられている。

プーチン政権は自国のウクライナ侵略や核恫喝、ミサイル戦力の移動などが、ソ連時代でさえ中立を貫いていた北欧2国の警戒心を増大させ、NATO加盟申請へ走らせたことを自覚すべきだ。自業自得といえる。

NATOは、北欧2国が将来、ウクライナのような目に遭わないよう加盟を認めるべきである。

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