胃、食道、胆道がんも関与 乳がんリスクの遺伝子変異

乳がんの発症に関わることで知られる「BRCA」という遺伝子の変異が、胃や食道、胆道のがんの発症リスクも上昇させることが分かったとする研究結果を、理化学研究所や国立がん研究センターなどのチームが14日付米医学誌JAMAオンコロジー電子版に発表した。日本人約10万人分の遺伝子を解析した。

チームは「BRCA遺伝子に変異がある人のがん予防につなげたい」としている。この変異があるがん患者に合わせた治療薬は既に実用化しており、使用すれば効果が期待できるという。

BRCA遺伝子には「1」と「2」の2種類あり、DNAの傷を修復して細胞のがん化を抑える働きがある。これらの遺伝子に生まれつき変異があると、乳房、卵巣、前立腺、膵臓でがんの発症リスクが高まることが分かっていた。

がん患者を含む約10万人の遺伝子の情報を調べたところ、BRCA1に変異があると胃がんで5・2倍、胆道がんで17・4倍、発症リスクが上がった。BRCA2に変異がある場合は胃がんで4・7倍、食道がんで5・6倍と分析された。

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