富山県の北アルプスに生息する国の特別天然記念物ニホンライチョウのふんをDNA解析し、主にツツジ科の高山植物「クロウスゴ」「ガンコウラン」を食べていることが分かったと、中部大(愛知県)などのチームが米科学誌に発表した。
これまでライチョウなどの野鳥の餌を特定するには、解剖するか、何をついばんでいるのかを観察する方法が主流だった。チームは、植物の細胞の葉緑体にあるDNAに着目。塩基配列を解析する次世代シーケンサーで調べ、植物の種類を特定する手法を開発した。
まず約3年かけて北アルプス・太郎山(富山市)の高山植物のDNAをデータベース化。平成27~30年、太郎山でライチョウのふん計116サンプルを採取し、含まれる植物のDNAを調べた。その結果、食べている高山植物53種を特定。ふんのサンプルの約7割でクロウスゴとガンコウランが見つかった。