京都市京セラ美術館で開催中の「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」(産経新聞社など主催)。注目の展示品を5回にわたって紹介します。最終第5回は「2号銅車馬」です。
2号銅車馬
始皇帝の陵墓の西、銅車馬坑から見つかった2両のうちの1両。こちらの2号は、御者が立ち姿で操縦する1号の立車に対し、御者が正座で操縦しており、安車と呼ばれる。
高さ106・2センチ、長さ317センチ、幅176センチの青銅製の銅車馬が作られたのは、始皇帝が生前に巡行した威容を残しておくため。実物の2分の1のサイズだが、近くで見ると、精巧な部品を丹念に組み合わせていることがうかがえる。
4頭だての牽引(けんいん)力は、中2頭と外2頭で異なる。中2頭の首にはくびきがおおいかぶさり、横木で連結されている。その横木と車体中央から伸びた轅(ながえ)が十文字に結ばれ、車体を牽引する。両脇の2頭にも牽引用の綱はあるが、補助的な役割だったようだ。
複製品の展示だが、文献からはうかがえない車馬の機能がわかる。(正木利和)=終わり
開催概要
日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~
会期:2022年5月22日(日)まで
会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊2階(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
公式ホームページ:https://heibayou2022-23.jp/
公式Twitter:@heibayou2022_23