セルビアに中国が地対空ミサイル納入 NATO境界に緊張

セルビアのブチッチ大統領(ロイター=共同)
セルビアのブチッチ大統領(ロイター=共同)

【パリ=三井美奈】親ロシア派政権が続く旧ユーゴスラビアのセルビアに、中国が地対空ミサイルを納入したことが、14日までに明らかになった。AP通信などが報じた。セルビアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国クロアチアやルーマニアに隣接しており、ウクライナ紛争のさなかに緊張が高まっている。

セルビアに納入されたとみられるミサイルは、中国が開発した紅旗22(HQ22)で、最大射程170キロ。10日に、中国軍の輸送機がベオグラード空港に入ったのが確認された。中国外務省の報道官は11日の記者会見で、セルビアに通常兵器を送ったことを認め、「第3国との協力計画に沿ったものだ」と述べた。

セルビアは伝統的な親露国。中国とも近年、軍事、経済で急接近しており、2020年には、攻撃機能のある中国製無人機を導入した。昨年春には、魏鳳和・国務委員兼国防相がセルビアを訪問し、戦略的関係の強化で合意している。

一方で、セルビアは欧州連合(EU)にも加盟を申請中。ロイター通信によると、ドイツ外務省報道担当者は12日、「EU加盟候補国は、EUの外交安全保障方針に加わるべき」として、セルビアの動きをけん制した。旧ユーゴでは1990年代に民族紛争が続き、中国によるセルビアの軍事支援は、地域の緊張を招くとの懸念が出ている。

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