ダイドーがロシア販売拠点設立の検討打ち切り

ダイドーグループホールディングスは14日、飲料の自動販売機を展開しているロシア事業について、以前から進めていた販売拠点の設立に向けた調査を打ち切ったと発表した。

同社はトルコ子会社の工場で生産しているミネラルウォーター「Saka(サカ)」を2021年10月からロシアへ輸出し、自販機で販売。同商品などの販路拡大を狙い、販売拠点の設立も含めた機会を模索していたが「ウクライナ情勢悪化で物流がストップし、先行きが極めて不透明であることから打ち切りを決めた」(広報担当者)としている。

今年3月には、日本政府がロシア全土の危険情報を「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げる前に、2人の日本人駐在員をトルコへ退避させていた。以降、ロシア国内にある数十台の自販機の商品補充や代金回収などが滞っている。事業はほぼ休眠状態となっているが「現段階でロシアからの完全な事業撤退は決めていない」と説明する。

同社の22年1月期連結決算における海外飲料事業は127億円で、全売上高の約8%。海外飲料事業の中核はトルコ子会社が担っており、ロシアはその輸出先と位置付けている。

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