参院選 揺らぐ自公協力「埼玉方式」

今夏の参院選の相互推薦をめぐって生じた自民、公明両党間の軋轢(あつれき)は、埼玉選挙区(改選数4)での共闘にも影を落としそうだ。与党で2議席を確実に押さえるための同選挙区での協力のあり方は、関係者の間で「埼玉方式」と呼ばれ、両党の結束の象徴と位置づけられてきた。ただ、今回の改選に向け、自民党埼玉県連は公明党への譲歩を繰り返しており、「友党」応援の熱量に変化が生じる可能性もある。

「激戦は必至だが、公明党の1議席を死守するという決意で臨む」

埼玉選挙区で今夏改選を迎える公明党の西田実仁氏(59)は14日、県庁での記者会見で力を込めた。

現職の関口昌一氏(68)を擁立する自民党との協力については「何も心配していない」と言い切り、「与党が安定政治を維持することが大事だ」と強調した。

しかし、多くの公明党関係者は不安をぬぐい切れずにいる。参院選に向け、自民党県連に「我慢」を強いる局面が相次いできたからだ。

令和元年の参院選から改選数が1増えたことを背景に、自民党県連内では、関口氏とは別に党公認候補1人を立て「与党3議席」を狙う主戦論も強かった。

県連は、2人目の立候補予定者の公募に着手したが、党本部から待ったがかかり、取りやめになった。自民党だけで2人を立てれば共倒れしかねないという懸念が党本部側に強かったことが大きな理由だが、選挙協力への影響を懸念した公明党から反発が起きたことも遠因だった。

県連は1月、党本部の意向に従い、埼玉選挙区で西田氏を推薦することを容認した。「2人擁立」を見送っただけでなく、公明党候補推薦への同意まで求められ、多くの県連関係者が忸怩(じくじ)たる思いでいることは想像に難くない。県連の小谷野五雄幹事長は、遠藤利明選対委員長に推薦容認の意向を伝えた席で「県議会の中でも大変強い抵抗がある」と言い添えた。

西田氏は平成28年の改選で64万2597票を獲得したが、元年の改選での公明党候補は53万2302票にとどまった。公明党県本部の幹部は「改選数が増えたためなのか、大きくへこんだ。今夏は6年前に近い票を取りたい」と話す。

自民党が西田氏を推薦することが決まり、「埼玉方式」は外形的には維持されることになったが、これまでのような盤石の構えを保てるかは見通せない。(中村智隆)

■立候補予定者(4―8)

関口 昌一68 党参院会長 自現

高木 真理54 県議 立新

西田 実仁59 党参院会長 公現

【自】

加来 武宜41 弁護士 維新

梅村早江子57 元衆院議員 共新

河合 悠祐41 派遣会社役員 N新

湊 侑子39 製材会社役員 諸新

上田 清司73 前知事 無現

【国】

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