デジタル庁は14日、デジタル社会実現に向けた政策などを議論する「デジタル社会構想会議」を開き、昨年末に策定した政府全体のデジタル政策の方向性を示す「重点計画」を6月までに改定する方針を示した。ウクライナ情勢などを踏まえた「安全保障に必要なデジタル政策」や、ブロックチェーン技術を基にした新しいインターネット技術「Web(ウェブ)3・0の研究」などを盛り込む方向だ。
重点計画の改定に向けては、新型コロナウイルスの流行やウクライナ情勢など災害や有事を想定し、官民が連携してデジタル施策を国民に提供するために何が必要となるかなどを議論する。また、デジタルデータのオリジナル性を証明する新技術「非代替性トークン(NFT)」に代表されるウェブ3・0のスタートアップ(新興)企業の振興を促すための政策対応なども検討する。
さらに、地方のデジタル化に向けた政策を取りまとめるデジタル田園都市国家構想実現会議が取りまとめるデジタル化を支援する人材確保の方向性や、目視などアナログ規制の見直しを進めているデジタル臨時行政調査会が取りまとめる内容も、改定する重点計画に盛り込む。
一方、同日の会議では構成員から、デジタル庁の職員数を含めデジタル人材の不足を課題として指摘する声が相次ぎ、その対策として外国人材の積極活用などが提案された。
現在の重点計画は、デジタル庁発足後の昨年12月に、100以上の施策について具体的な達成時期を示した工程表を盛り込んで策定された。今年6月の改定後は、デジタル化の進展状況や新しい技術を踏まえて毎年6月に改定を重ねる考えだ。(大坪玲央)