挑戦が「時代劇」の未来開く 日本映画放送・石原隆社長に聞く

「地上波が『デパート』とすれば時代劇専門チャンネルは『街の専門店』。専門店ならではの独自性を打ち出していきたい」と語る石原隆社長=東京・有楽町(飯田英男撮影)
「地上波が『デパート』とすれば時代劇専門チャンネルは『街の専門店』。専門店ならではの独自性を打ち出していきたい」と語る石原隆社長=東京・有楽町(飯田英男撮影)

平成23年の「水戸黄門」を最後に、レギュラー放送の時代劇が民放から姿を消して10年超が経過した。視聴者層の高齢化も言われて久しいが、鎌倉時代を主な舞台にしたNHK大河ドラマ「鎌倉殿(どの)の13人」が若い視聴者層から注目されるなど、時代劇には潜在的な需要も根強い。元フジテレビプロデューサーで、有料放送「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送の石原隆社長(61)に、令和の時代に活路を開く展望を聞いた。

「一時期に比べると、確かに時代劇は減ったが、視聴者に受け入れられなくなったわけでは決してない。(社長就任から)まだ1年弱だが、将来が楽しみなところが見えてきた」

「古畑任三郎」シリーズや「HERO」など、社会現象を起こした多くのドラマを企画した石原社長はこう語る。

その理由は、「時代劇は『物語性』の強い作品や、人間の根源的な要素を描いた作品を作れる」強みがあるからだ。現在の地上波ドラマでは、どうしても「リアリティーのある等身大の物語」が視聴者の多数派に好まれ、制作され続ける。だが、人々の思考や常識が現代とは異なる時代劇という枠組みであれば、ファンタジック(幻想的)な作品や「寓話(ぐうわ)性」のある作品を作りやすい。これは「演出家や脚本家など、現代が舞台のドラマの作り手には大きな魅力」だという。

来年は時代小説の大家、池波正太郎の生誕100年という節目の年。目玉となるオリジナル映画が順次全国で劇場公開される。2月と4月には豊川悦司主演の「仕掛人・藤枝梅安」が2作連続で公開予定。さらに、松本幸四郎主演の「鬼平犯科帳」も再来年の劇場公開を想定し、インターネット配信も行う予定だ。豪華俳優陣に加え、人気の現代ドラマを手掛けてきた大森寿美男が両作の脚本を担当するなど、新たなアプローチも行う。

石原社長は「これまで時代劇に及び腰だった方々にも見てもらえると期待している。従来のファンにも新しい雰囲気を味わっていただける」と太鼓判を押す。

かつてと比べ、撮影技術は段違いに進化した。カメラは高精細な4Kになり、CGなどの特殊効果の性能も大幅に向上。過去作ではできなかった表現も実現可能になり、「新たなトライをしたい」と意気込む。

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