与党緊急経済対策、規模不足で補正再燃も

出邸する岸田文雄首相=14日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
出邸する岸田文雄首相=14日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

自民・公明両党は14日、政府が策定する緊急経済対策に向けた提言を岸田文雄首相に渡し、月内の決定に向けた作業が本格化する。夏の参院選前に補正予算案の編成を求める公明と、慎重な自民の綱引きが続き、原油高対策など各種支援策を令和4年度予算の予備費でまかなえるかが焦点だ。世界的なインフレを助長するウクライナ危機は収束のめどが立たず、予算規模は膨らむ可能性がある。

自民は対策の財源として、4年度予算の一般予備費と新型コロナウイルス対策予備費の計5兆5千億円から2兆円程度を見込む。一般予備費は自然災害の復旧に、コロナ予備費は感染再拡大の備えに残す必要があり、全額を対策に使うことはできないためだ。

対する公明は原材料価格の高騰が国民生活に幅広く悪影響を与えている状況から、2兆円程度では足りないとして、補正で財源を上積みするよう求めている。

一方、提言の中身をみると、両党ともに予算が膨らみそうなメニューが並ぶ。

燃料価格の抑制でガソリン1リットル当たり25円を上限に補助金を石油元売り会社に支払う対策は5月以降の延長・拡充が既定路線。政府は4月末までの財源で約4500億円を投入したが、延長の場合、期間や拡充範囲によるが数千億円の追加財源が必要になる見込み。

生活困窮者への支援も、費用が膨らむ懸念がある。参院自民党は子育て世帯を含む困窮世帯に1人10万円の現金給付を訴えるが、3年度補正予算などで行われた子育て世帯への10万円相当の給付は約2兆円かかった。

総額2兆円程度の対策では事業の取捨選択が不可欠となり、手厚い対応は難しい。国内でも今後さらなる物価上昇と景気の下押しが予想される中、参院選後まで補正編成を先送りできるのか、判断が求められる。(永田岳彦)

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