ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は13日、ウクライナ侵攻をめぐり、首都キーウ(キエフ)への再攻撃の可能性に言及した。露軍は先月末、キーウ周辺の軍事作戦を大幅縮小すると表明。東部の制圧に向け兵力を集中させているが、首都を含む戦線の再拡大を示唆した。東部では同日、露軍によるミサイル攻撃などが続いた。
インタファクス通信によると、コナシェンコフ氏は「ウクライナ軍が露領内への攻撃」を繰り返し試みているとし、そのような事態が続けば「キーウを含めた」ウクライナ政府施設が所在する地域への攻撃も辞さないと発言した。ウクライナ側を恫喝(どうかつ)しつつ、露軍が攻勢を仕掛ける東部の防衛に注力させない狙いも伺える。
露軍は東部で激しい攻撃を続けている。ロイター通信によると、東部ハリコフ州の知事は13日、同州内で露軍が前日から50回以上のミサイル攻撃などを実施し、子供が含む29人が死傷したと発言した。ウクライナ軍は露軍がハリコフ州のほか、南部ザポロジエ州でもミサイル攻撃を継続していると指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、エストニア議会で行われたビデオ演説で、露軍が非人道的とされる「白リン弾」を使用したと指摘した。
エストニアなどバルト3国とポーランドの大統領は同日、キーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談した。4カ国の大統領はキーウ近郊で多数の民間人が虐殺された現場も訪問し、ポーランドのドゥダ大統領は「これは戦争ではなく、テロだ」と述べて露側を強く非難した。