フィンランド、NATO加盟「数週間で判断」

2021年10月22日、ベルギーで開かれたEU首脳会議でメディアの取材に応じるフィンランドのマリン首相 (ロイター)
2021年10月22日、ベルギーで開かれたEU首脳会議でメディアの取材に応じるフィンランドのマリン首相 (ロイター)

北欧フィンランドのマリン首相は13日、記者団に対し、北大西洋条約機構(NATO)に加盟を申請する是非について「今後数週間で決定する」と述べた。英メディアは12日、ロシアがフィンランドとの国境に向けてミサイルシステムを含む軍事装備を移動しているとされる映像を報道。映像が事実であれば、NATO加盟を検討するフィンランドを威圧する動きとみられる。

マリン氏は13日、スウェーデンのアンデション首相との共同記者会見で、NATO加盟申請に関する「(決定の)プロセスは非常に速いだろう」と前向きな姿勢を示した。アンデション氏も同日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて「(欧州の)安全保障の状況は完全に変化した」とし、「スウェーデンにとって最善の道を考える」とNATO加盟について早急に判断する意向を示した。

フィンランドとスウェーデンは今夏にもNATO加盟を申請すると報じられている。ペスコフ露大統領報道官は今月11日、両国の動きは欧州に安定をもたらさないと反発していた。

英紙のデーリー・メール(電子版)などが報じた露軍備移動の映像は11日夜に軍事専門家のSNS(交流サイト)で公開された。露軍のミサイルシステム2基などが露国内の道路を移動し、フィンランド国境やフィンランド湾に向かっているとしている。このミサイルシステムは艦艇などを破壊する機能を持つとみられるという。

ロイター通信によると、フィンランドのカイコネン国防相は13日、「ロシアとの国境に起こりうる変化に備えるべきだ」と警戒感を示した。

ロシアは、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は「深刻な軍事的・政治的結果をもたらす」と恫喝(どうかつ)してきた。露軍は3月2日、フィンランドと合同軍事演習をしていたスウェーデンの領空を爆撃機など4機で侵犯。同国メディアは、そのうち2機が核兵器を搭載していたと報じた。

ロシアは米軍基地が点在する日本も威嚇している。

露機とみられるヘリコプター1機が3月2日、北海道沖で日本領空を侵犯。同10日から11日にかけては露軍の艦艇10隻が津軽海峡を通過した。露軍は宗谷海峡や対馬海峡でも艦艇を通過させ、北方領土では3月25日と今月1日に軍事演習を行うなど軍事力を誇示している。(ロンドン 板東和正、外信部 坂本一之)

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